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碁石山とは

碁石山について

本堂へ向かう石段

 碁石山は、山岳霊場にあって、一際その特長を体現する風光明媚な霊山です。御本尊浪切不動明王が奉られた岩屋の本堂(鳳凰窟)では、毎日護摩祈祷が行われ、暗闇に揺れる護摩の火と岩に反響する読経が、さながら俗世から切り離された佛の世界を具現しています。また、参道から臨む内海湾と播磨灘の視界は、瀬戸内海随一の景勝美を誇り、その絶景を一目見れば、参拝の疲れも吹き飛ぶことでしょう。

 碁石山の名前の由来は、白い岩肌の凝灰岩に、黒い溶岩石が、散りばめられたように見えるのが、あたかも碁盤の目のようだ、というところから碁石山と伝えられています。決して碁石が採れるわけではありませんが、近年、囲碁が強くなりたいと思う方が多くお参りされることから、その願いを叶える聖地としての要素が加わってきました。

 本堂は、碁石山鳳凰窟という岩屋の中にあります。山号および寺院名は無く、本堂を含む周辺の行場をまるごと碁石山と呼びます。弘法大師空海の時代、或いはそれ以前より、ここには行者が籠もって修行していったとされます。岩屋の本堂では、坐禅や瞑想、そして護摩祈祷といった静の行を、本堂から山頂へ続く、岩が切り立った尾根道は、修行の道として、山全体が霊峰として信仰の対象となっています。

 ただ、札所の碁石山と、地名としての碁石山は、若干ズレた場所にあり、本堂から更に30分ほど山を登っていった先に、碁石山の山頂はあります。山頂からは、尾根伝いに隣の洞雲山と地域のシンボルとしてそびえる大嶽につながる山道があり、昔は星ヶ城、寒霞渓にも至ったそうです。小豆島一帯が修験の行場だったと伝えられるので、碁石山はその代表的な跡地としての姿を今に伝えています。

行場の浪切りさん

本尊 浪切不動明王

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 御本尊 浪切不動明王は、海上安全の仏様として日本各地で信仰されています。碁石山の立地が、海からよく見え、また海を見下ろす場所に位置しているため、ここから見守っていただく御方として浪切不動明王が相応しいと思う人の願いが反映されています。

 本堂の真上に位置する崖の行場には浪切不動明王の石仏がお奉りされ、愛らしい表情と共に”浪切さん”の愛称で親しまれています。また、行場から山頂へ登っていく道には、金比羅さんと箸藏さんのお堂もあり、碁石山に上がれば、海に関わる神と仏を一辺にお参りできる利便性が地域から求められてきたのだと想像できます。

御詠歌

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たのもしき 誓いによりて いきしにの 海の波をも やすくよぐらむ

納経

 碁石山の御朱印は、本坊の常光寺(第8番)で行っております。

護摩祈祷

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 碁石山では、僧侶が在中しているときは、いつでもお一人様からでも護摩祈祷が行えます。僧侶を見かけたら気軽に声をかけ、岩屋(天然の洞窟)の本堂で焚く神秘的な護摩修行を体感してください。

 護摩祈祷には2種類あり、”祈祷札”と”添え護摩”があります。祈祷札は、護摩祈祷をした後、札を御本尊にお奉りし、1週間前後で郵送するもので、期間によって1ヶ年祈祷、半年祈祷、一ヶ月祈祷、また特別祈祷の4種類があります。添え護摩は、用意された護摩木に直接名前と数え年を書き、読経と共に火の中に投じ祈るものです。

 護摩は、火を扱い、準備片付けに時間がかかるものなので、御本尊の縁日にまとめて焚くお寺が多いですが、小豆島の山岳霊場では、お遍路さん参拝の都度、その場で行うことができる札所がいくつかあり、小豆島霊場の大きな特徴になっています。

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御影(おみえ)

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 護摩祈祷をされた方には、御本尊の御姿を記したお御影をお渡し致します。玄関の内側に貼り、家の中に入ってくる厄災をにらみをきかせ、追い払う効果があります。また、台所に貼ると悪い火が立たないように、火難除けの効果もあります。

 御影は、一年経つと新しいお札と張り替えてください。古札は碁石山に奉納いただくか、家の近くでとんどの習慣がある場合は、正月飾りなどと一緒に御焚きあげしてください。

御守り

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 浪切不動明王は、その名の通り「波を切る」海上安全の仏様です。碁石山自体が、海からよく見え、また海を見下ろす場所に位置しているため、海上交通が生活の要である小豆島の地にあって、交通安全を祈願する道場として信仰されてきました。碁石山交通安全守の御利益は数知れず、毎年多くの方がその御陰を授かっています。

 また碁石山のお不動様は、別名「身代わり不動」と呼ばれ、私たちに降りかかる災難を身代わりになって受けてくださります。「大難を小難に、小難を無難に」してくれる身代わり守をどうぞお受けください。