toggle
2016-01-13

干支にまつわる法話

お正月なので、今年の干支は・・・という話題が盛んになります。

未年の時は、ネタがなくて苦労したものですが、お猿はいっぱいありますね。

日本全国猿の生息地は分布していますし、小豆島にも猿はたくさんいて、お猿のテーマパーク銚子渓の猿団子は全国的に有名です。

年賀状に使うお猿の写真に困る・・・というのは、小豆島の人に限っては少なそうです。

お猿の説法を聞く息子

お猿の説法を聞く息子

で、猿ネタで何か説法を・・・と考えた時に、何がいいか考えました。

まず、猿回しには、病魔を祓い、健康を守る意味が込められているそうです。魔が去ると猿をかけていますね。

 

去る押しでいろいろ広げられそうですが、あまり思い浮かばなかったので、以下の2点の切り口で護摩祈祷後の小話をやってみました。

_ADB8542_w

犬猿の仲

犬と猿は仲が悪いので、鳥が入って、間を取り持ったとするのが通説です。

が、どこかで聞いた話なのですが、犬猿の仲の由来は、犬と猿の仲が悪いことから来ているのではなく、鎌倉の禅寺建長寺と、円覚寺の仲が悪かったことから来る説があります。今では仲が良いらしいのですが、鎌倉を代表する大きなお寺同士の仲の悪さを、頭文字をとって「建円の仲」と呼んだそうな。

いずれにしても仲が良くないということ自体は、よろしくないことなので、干支のお猿にちなんで、そんな悪いイメージを持ってしまっては困ります。

干支の申は、猿という漢字とは元来関係が無く、十二支すなわち時や方位を表す申(しん)に猿をあてただけです。申の字には、「のびる」「もうす」の意があり、悪いイメージの言葉ではありません。

単独でも悪い言葉ではないのですが、人という字が寄り添えば、文字通り伸ばすという字になります。仲違いするのではなく、人と仲良くして、お互いを高め合う、そんなイメージを申から連想して行動に移して欲しいと思います。

_ADB7973_w

見ざる聞かざる言わざる

また、これも有名な諺(ことわざ)ですが・・・

ご存じの通り、悪い行いを見たり、良くない噂を聞いたり、それを面白おかしく吹聴してしまうのが人間というものですが、そういうことはしない方が良い、という戒めです。

仏教的にも馴染み深いもので、三猿(さんざる)の像が、お寺のお堂や境内のどこかに彫られていることがよくあります。一番有名なのは、日光東照宮の山門の像でしょう。碁石山の周辺では、第9番札所の庚申堂に、三猿の像はあります。

庚申堂の三猿

庚申堂の三猿

ただ、私はこの三猿の戒めがどうにも好きではなく、結局何もしない方がいい、というなんだか後ろ向きな教訓に聞こえてしまうのです。とても日本人らしくはあるんですが、見るな、聞くな、話すな!なんて前時代的で、上司が部下にパワハラしている印象を受けます。

それでも、この三猿から何かを得ようとするなら、言わざるに着目するといいでしょう。見るとか、聞くというのは、いくら注意しても防ぎきれるものではない、受動的な要素です。一方、言わない、というのは、自分で注意すれば防ぐことができる能動的な要素です。

言わないことが大事

言わないことが大事

三つの猿が並列のように扱われていますが、大きな違いがありますね。

たとえ、どんな悪いものを見ようとも、聞こうとも、自分がその発信源となって、まき散らすことに荷担しないでおけば、他の人に迷惑をかけませんし、煙たがられもしません。口は災いの元、申の隣にも口が来ると、呻(うめ)くという言葉になり、苦痛のうめき声、獣のうなり声、ため息、等よくないイメージがついて回ります。

これから、どこかのお寺や神社で三猿に遭遇したら、言わざるだけを愛でて、「お前さんの言わんとすることわかるよ」とつぶやいてあげて下さい。彼(彼女?)を思い出すたびに、貴方を助けてくれるでしょう。

 

この申年の一年を、犬猿の仲見ざる言わざる聞かざるの二つの有名なことわざにかけて、その教訓を意識して過ごせば、そんなに悪くない年になるような気がします。

みなさまにとって、よい一年でありますように。

 

_2100084_p_w

関連記事
Comment





Comment