toggle
2018-01-22

初大師の日は「島びらき法要」がありました

(写真提供 すべて藤原奈美さん)

毎年、1月21日は小豆島の「霊場開き」、いわゆる「島びらき」の日です。

21日は弘法大師の縁日で、1年の最初の縁日は「初大師」と呼ばれ、その日を境に、小豆島霊場の巡礼が活発に・本格的になっていく、というわけです。

「島びらき法要」の具体的な内容は、霊場会本院が側にある土庄港に、霊場寺院の住職と関係者が集合して、船で到着した最初のお遍路さんを迎え、土庄港〜霊場会本院に至る1㎞足らずの道のりを、共に練り歩くという行事です。「お迎え大師」と呼ばれる、いつも霊場会本院でお遍路さんを迎えられるお大師さまも、港まで出張して、御詠歌隊とお稚児さんも同行します。さらに今年は、高野山から「こうやくん」と、宗教舞踊を披露するお遍路団体も加わって、より一層盛大に行われました。

(般若心経で迎える住職の面々。手前の神輿がお迎え大師。奥のデカイのがこうやくん)

(大勢の御詠歌隊。島の人ばかり)

(船から降りてくるお遍路さん)

私も行列に加わり、赤い番傘をさしてお練りをしましたが、風の無い快晴で、みなさん和気藹々と素晴らしい「島びらき法要」になったと思います。

朝日新聞の取材を受けて、島びらきについてコメントを求められたので、次のようなことを答えました。

「賑やかに盛大に、霊場開きの日が迎えられて何よりです。この島びらき法要を見た人が、自分たちの住む場所には、遠方からお遍路さんが巡拝に来るような霊場があることを知り、御詠歌を聞き、舞踊を見ることで、有り難いという気持ちを起こしてもらえたら幸いです」

おそらく全然違うことを書かれていると思うのですが、この練り歩きはお遍路の入口の行事で、見て、触れて、良いな、と思っていただくことがとても大事です。だから、テレビで放映されることと新聞に載ってニュースになることはとても大事で、フォトジェニックになるように、坊さんも私語を慎み、左手でまっすぐ番傘を持ち、脇見をせずに歩きます。欲を言えば、もう少し写り映えする背景なり、ランドマークがあれば、全国から写真愛好家が集うのに、と思います。写真を撮る人はそれを人に見せて拡散しますから、無料で素晴らしい広報をしてくれますからね。

ちなみに、霊場開きの法要がいつから始まったのか?定かな記録が残っているのか知りませんが、大正2年に霊場会本院が土庄港近くにできてからだと思います。現在の場所に今の建物が建ったのが、その後のことで、戦後少なくなったお遍路さんをなんとか増やそうと、当時の霊場寺院住職たちが知恵を出し合い、少なくとも60年以上の歴史があります。

(2番目が私です)

(四国新聞の前を通って。道中歩道はあるものの、信号が多く、道幅も狭いのが難点)

(ようやく霊場会本院へ)

本院に到着してからは、遍路先達の方々は、2階で着座して法要の続きを。僧侶と共に行い、会長や町長の挨拶を受けます。

御詠歌やお稚児さんたちは、1階のお堂でお加持を受け、初大師の御守りを受け、御詠歌隊の皆さんは、大合唱で一曲奉納されます。個人的には、狭い空間に鳴り響くこの御詠歌が1番のハイライト。各地区・寺院で御詠歌の指導をされる先生達の集まりなので、それはそれは美しいハーモニーが響き渡ります。

霊場会の駐車場では、お餅と素麺のお接待もありました。皆さん帰られてから、ようやく一杯呼ばれましたが、こうやくんの中の人が1番大変だったと聞き納得。見えない視界で、あの大きな頭はかなり頑強につくられているのでとても重いはず。そして、まさか霊場会本院まで歩かされるとは・・・想像しただけでゾッとしました。来年はたぶん来てくれないでしょう。。。

法会が全て終わった後は、港近くの遍路宿「長栄堂」で、遍路団体の団体長の皆さんと霊場寺院住職たちで一席設け、霊場話に花を咲かせます。

途中で帰ったお寺さんがおり、空きができたので、久しぶりに参加させてもらいました。8年間碁石山に居るおかげで、出席していた団体長の全員の顔を知っていて、参拝中には軽い挨拶程度で終わってしまうところ、その場ではゆっくりお話を聞くことができました。昔の札所のこと。私の祖父・祖母を始め、建て替える前の札所や、安置されている仏さまの逸話など、知らないこともたくさん聞けてとても面白かった。

教えてくれた人は、それぞれ90オーバーの祖父母世代。話を聞いていると同級生の様。その世代で、頭も足腰もしっかりして昔話を語れる人が少なくなってきた中、貴重な時間だなぁ、としみじみ思いました。それと信仰を持っている人の強さを感じます。これは自戒を含めて、お坊さんの方がよっぽど見習わなくてはならないことだと思います。

新しいお遍路さんを開拓することが自分の使命だと思っているし、そこが自分が役に立てるポジションだと思っているけれど、今まで霊場を支えてくれてきた遍路団体長たちには、いつも最大限のリスペクトをもって迎えたいと、あらためて思いました。

またお逢いできますように。合掌

 

ちなみに「島開き」はありますが、「島仕舞い」はありません。12月21日は普通の縁日です。開きっぱなしの小豆島霊場です。めでたい(笑)

(すっかり明るくなった霊場会本院の1階お堂。お大師さまの表情も明るくなった様)

関連記事
Comment





Comment